歯ぎしり

 

 

 

かなしみも

よろこびも

あらわすすべが分からず

 

ただ心の中にもろもろと
溜めていったものをすり鉢上の出口から
ぎちぎち
押し潰して
染み出た澱のようなそんなものを
どうしたらいいのか
考えてはうろうろと
両手に持って途方に暮れている

 

誰かが
この心をしがらみごと
ミキサーにかけて、
ぶちぶちとなにもかもを一緒に
すりつぶして分からないようにしてしまって
真っ平らにしてくれるのを
待っている自分しか見つけられない。

 

誰かなど来るはずがないというのに。